逃源郷

世界は闇なのか

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『エレファント』

2003年度、カンヌ国際映画祭最高賞のパルムドールと監督署をW受賞した「グッド・ウィル・ハンティング旅立ち」、「ジェリー」のガス・ヴァン・サント監督作品。
この「エレファント」の題材は、1999年4月20日、ヒトラーの誕生日にアメリカコロラド州コロンバイン高校で実際に起きた銃乱射事件。監督はその原因を劇中で突きつける事はせず、高校生の日常をリアルに紡ぎ出し、ドキュメンタリーに近い手法を取っている。もう、あきれるくらい映像が綺麗。秋の青く、そして少し淀んでいる雲と、木々の枯葉と。美しさと悲哀さが混同している。

高校の廊下はだだっ広い。その空間的広さが、どこか人的つながりの薄さを感じさせる。

生徒一人ひとりに与えられた、選択と行動の自由。にもかかわらず、上からの締め付けは厳しい。自由と規律のジレンマ。

まだ、自我なんて固まっていないのに。やりたいことが分からず、自分という人間が分からないがために、路頭を彷徨い、行き場を見失う。
「自分は一体、何処へ行けばいいのですか?教えてください、先生。」
「それはね、自分で探して見つけるものなのだよ。」


隣の席に座るクラスメートは、ただのクラスメートであって赤の他人。
同じ部活やクラブに属さない限り、人間同士の繋がりを保つことが出来ない。
「教科書忘れたんで、見せてくれますか?」
「はい、いいですよ。」

授業終了のチャイムと同時に、くっついていた机が離れる。
ハイ、終わり。

相手は人間か?はたまた、ただの固体か?
怒りなんて、憎しみなんて、ない。
ただ、人を人であると思えない、憐憫の情がないだけ。
「自分のことが分からないのに、相手の苦しみなんて分かるはずないじゃないか。」
「痛いの?本当に?ただ、血が出てるだけでしょ。」


放課後の校舎の静けさ。
どこからか鳴り響く、吹奏楽の練習の音。
普段はせわしないはずの、その人気のない廊下に、何故か居心地の良さを感じる。

叫びたい。
張り裂けて、爆発しそうなこの身体。

こんなに、苦しんでいるのに。
誰もこの存在に、気づいてくれない、見てくれない。

走って。
走って。
走って。
ただ、わけもなく。


「ネエ、ミテヨ!ボクハココニイルヨ!」
「ネエ、ミテヨ!ワタシハココニイルヨ!」



今日も、学校を休んだ。


ere.jpg


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  1. 2005/08/02(火) 03:16:38|
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人非人

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