「ウェルカム・トゥ・サラエボ」「イン・ディス・ワールド」の
マイケル・ウィンターボトム監督初の近未来SFラブストーリー。『父、帰る』同様、去年劇場で観ようと思って見逃したこの『CODE46』。この監督の音楽センスは秀逸で、映画を見る前に去年サントラを買ってしまった。サントラを部屋で聴いていると、異空間に迷い込んだような心地よさを感じさせてくれる。
高度に管理の徹底された近未来の社会。そこでは、同一の遺伝子を持つ者同士の間で性的接触を禁じる「CODE46」という法律が存在している。同じ遺伝子を持っていることを知らずに、惹かれあう二人。
「一瞬の相思相愛」この映画の舞台は上海なのだけど、どこか『スワロウテイル』のような無国籍の匂いが感じられる。アジアの街に色んな国の人々が、混じり合って暮らしている。国境は消えたはずなのに、しかし
世界はやっぱり”内”と”外”に区切られている。”内”は繁栄、”外”は荒廃と砂漠。そこでの貧富の差は歴然。今のなんら変わんないなと思った。あと、映画に登場する様々な近未来アイテム。歌を上手くするウィルス、相手の心が読めるようになる”共鳴ウィルス”。これを飲めば?一瞬にしてサトラレに変身できるのだ、というまさにドラえもんの世界。
あと、医療技術によって人の記憶を自由に消したり、差し替えたりすることができる。過去の苦い記憶を自在に消せるとしたら、どの記憶を選びますかね。人それぞれあるとは思いますが、自分はなんと言っても幼少の頃、旅先ですべって転んで持っていたアイスをべチャって落とした記憶を消したい。とても恥ずかしかった‥‥。
ともあれこの映画の切ないところは、
お互いの記憶を一方は持っていて、もう一方は消されているというとこ。あんなに好きだったのに、相手は自分のことを全く覚えていない。最後、砂漠を一人歩き続けるサマンサ・モートンは遠くをあてもなく見つめている。
「あなたに、会いたい
ただ、それだけ」
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- 2005/08/12(金) 01:47:45|
- 映画(自宅にて)|
-
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-
コメント:6
コメントありがとうございました。
たしかに・・サマンサ・モートンの最後の表情は辛かったです。
妊娠して勝手に堕胎させられたことも記憶に残っているのでしょうか??
それはあまりにも辛すぎです。
TBさせていただきます
- 2005/08/12(金) 19:18:28 |
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- ディ~ #k0GcsowQ
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お返事、ありがとうございます。
コールドプレイの音楽がまた、ラストの切なさを際立たせていたと思います。
つらい記憶は忘れたいはずなのに‥。
音楽が妙に印象に残った映画でした。
- 2005/08/12(金) 19:46:56 |
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- 人非人 #-
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どうもはじめまして。geisyaといいます。ほぼ同じ時期に同じ作品を観たというよしみだけですが、TBさせていただきます。俺は消したい記憶が多すぎて全部消したら大変なことになりそうです・・・
- 2005/08/13(土) 10:01:26 |
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- geisya #-
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TBありがとうございます。
消したい記憶ですか…。あるにはありますが、それがなくなってしまうと今の自分もなくなってしまいそうで、なんか怖いです。
- 2005/08/13(土) 11:10:40 |
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- 人非人 #-
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TBありがとうございました。
記憶消去系映画なら、エターナル サンシャインは脚本が秀逸で、私が凹んでいた時期に観たせいかもしれませんが、切なさ倍増でした。
この映画のラストは観ていて本当に辛かったです。
- 2005/08/16(火) 01:02:26 |
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- Deanna #-
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お返事ありがとうございます。
>「エターナルサンシャイン」
は、この映画とは反対のハッピーエンドですよね。
内容は似ていても、すごく対照的な映画だと思います。
ありがとうございました。
- 2005/08/16(火) 02:12:12 |
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- 人非人 #-
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