逃源郷

世界は闇なのか

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告|
  3. トラックバック(-)|
  4. コメント(-)

バッドエデュケーション

 「アールアバウトマイマザー」、「トークトゥハー」のスペインの巨匠ペドロ・アルモドバル最新作。
 ペドロならではの登場人物の錯綜する感情と欲望が入り乱れた濃厚な人間ドラマ。相変わらず脚本が良くできていて、ちりばめられた伏線もサスペンスの醍醐味を味わせてくれる。ただ、この人の映画は「アールアバウト?」「トークトゥ?」とそうだったように、イマイチ胸に響く何かがない。そう、感動しないのだ。音楽も効果的に使われているし、ドラマなのに何かこう人の感情のこと線に触れる一歩手前でやめているかのような、そんな”つかみどころのなさ””自分のものにできそうでできない”作品がペドロ調なのかもしれない。
 作品の内容としては、まずやはり美術。最初の部屋の壁に並んでいる前衛的な絵の数々や柱の派手で明るめな色。こういう細かいところまでに、彼の芸術性を感じる。プールの横に並んだ赤い二つのいすとか。あと、少年時代のサッカーシーン。こういう何気ないシーンでスローを使ったり劇的な音楽を導入したりと、ところどころで域を超えた芸術性を感じさせる場面が多く登場する。やはり天才だな、この人。
 そしてあとは、登場人物における禁断の愛。とかくこの人は少年愛とか同性愛とか、許されない禁断の愛をモチーフにするな。男と女が恋をしてSEXをするという一般的価値観はこの人の映画の中では通用しない。本人ゲイだから、それが映画にもあらわれるんだろうな。オカマもよく登場するし。
 あと、身代わりの愛。「トークトゥ?」でもあったけど、今まで愛していた人が死んで体だけ残って植物状態となったとき、人はその人のことを愛し続けることができるのかという問題。つまり、人はその人の体を愛するのか、精神を愛するのか、それとも両方なのか?ではそのどちらか一方、例えば事故で植物状態となった人間は精神が崩壊したと言えるから、人はそそ体だけを今まで愛した人と同じように愛し続けることができるのか?「トークトゥ?」の主人公は、これをまさにやってのけてしまい、植物状態にいる彼女をレイプし捕まってしまう。この映画でも、牧師はイグナシオの弟を、幼少の頃のイグナシオが成長した姿、つまり代わりの姿と見立てて彼を愛してしまったんじゃないかなーって思った。人は人の何を愛し、そして好きになるんだろう?好きになる、と言う構造自体イマイチよく分からん。体なのか、心なのか。
 それと最後に欲望。イグナシオの弟は自分の欲望のため、つまり役者になって有名になって成功するため、兄をも殺し、そして兄を演じて兄の初恋の相手をだましてSEXをもする。異性愛者なのにだ。でも彼は一時的には成功しても、結局は破滅する末路にあった。人を踏み台にした報いか。結局のところ、人間って皆自己中な存在だと思う。自分を犠牲にして他人のために動ける人間って、世の中にどれくらいいるんだろうって思う。そもそも自己中って何だ。自分さえよければ他人なんてどうでもいいと切り捨てることなのか。相手の苦しみに目を向けないこと?自分より他人。そういう人間に憧れるけど、つい自分が先行してしまう。全ての人間を好きになれたらいい。それとも、他人と関わらなければいいのか…。これはぜったいに違うな。
 とにかく、話はずれてしまったけど、総括すると「アールアバウト?」のマイノリティーな性の価値観と「トークトゥ?」の禁断の愛と欲望が上手く調合したような映画。可もなく不可もなく。
 それにしても、これ観た新宿テアトルタイムズスクエアの映画館はスクリーンでかいし、きれいだった。屋上からの景色もまたよしだった。


20050505025304.jpg

スポンサーサイト
  1. 2005/05/05(木) 02:50:43|
  2. 映画(劇場にて)|
  3. トラックバック(-)|
  4. コメント(-)

人非人

08 | 2017/09 | 10
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

Recent Entries

Recent Comments

Recent Trackbacks

Archives

Category

Links

天気予報

お気に入りバナー

Search

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。