逃源郷

世界は闇なのか

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めざめ

今回は、たまには大学生らしく、自分が読んだこれまでの政治思想・社会思想系の書籍の紹介をしたいと思います。
その前になぜ自分が、それまでまったく興味がなかった政治・社会系の本を読み始めようと思ったかを説明したいと思います。
そのような本を、本格的に読み始めたのは去年の11月頃なのですが、それまで自分は太宰治や吉本ばなな、重松清の小説をちょこっと読むくらいで、まったく政治・社会系の本は読んだことがありませんでした。つまり、自分はまったくと言っていいほど、政治や社会に対する興味関心が無かったわけです。新聞は読んでいなかったし、TVのニュースも起こった犯罪や事件に関するニュースならともかく、アメリカとイラクがどうしただの、自衛隊がどうしただのというニュースには全くといっていいほど、目が向きませんでした。
そんな自分に一つの衝撃を与えたのが、去年の10月末に起こった、イラクでの香田さん人質事件です。
当時自分はオーストラリアへ、ワーキングホリデーをしたいと考えていました。というのも、毎日の日々に刺激が無く、退屈な日常を抜け出して海外にでも行けば何か目新しいものでも見つかるのでは、と考えていたからです。海外への憧れと言いますか、海外での旅への憧れであったのかもしれません。でも、そのときは行こうとする決意がいまいち起こらない状態でした。そんなときに耳にしたのが、この香田さんの事件です。そして、驚いたことにその香田さんもワーキングホリデーをしていて、その最中に人質にあったというのです。香田さんがイラクへ行く直前に対面した人物によれば、香田さんは危険であることを承知でイラクに赴いていったというのです。自分は当初、その香田さんの行動が理解できませんでした。でも、ワーキングホリデーをして、日本以外の各地で起こっている貧困や紛争を目の当たりにして、それがイラクでも起こっていると知ったときに、いてもたってもいられなくなったのではないかと考えるようになりました。香田さんのその行動は、自分が一体イラクで起こっている悲惨な状況に対して何ができるかを、真剣に考えた末の結果だったのかもしれません。これは、あくまで自分の想像に過ぎません。でも、ひょっとしたら自分もワーキングホリデーをしていたら、同じ境遇に陥ってしまったかもしれない…。世界には、同じような事件に遭遇する可能性のある人がたくさんいるのではないか…。
結局政府は、テロ集団の自衛隊撤去の要求をのまずに、香田さんはテロ集団によって殺害されてしまいました。自衛隊を撤去したくない理由が政府側にあるにせよ、香田さんがイラクへ行ったのは自己責任の問題だと、事件を香田さん一人だけのせいにして問題を解決しようとした政府に対して怒りを感じます。一人の人間の命が、国の利益のために見殺しにされてしまったのです。香田さんが涙ながらに、小泉首相に撤退をお願いしていた映像は、今も頭に鮮烈に残っています。香田さんは、テロ集団にではなく、日本と言う国によって殺されたといっても過言ではありません。また、その殺害の映像をネットで見て、気持ち悪いだの、おぞましいだのと口にして、事件や香田さんに対して考えを追求しようとしない人たちに対しても怒りを感じます。香田さんの死が、ネット上でもてあそばれているようで仕方がありません。それは、香田さんの尊厳を傷つけていることにもつながると自分は考えます。
この事件をきっかけに、一体今イラクで何が起こっているのか、なぜ日本の自衛隊がイラクに駐留しているのかといった疑問が沸き起こるようになりました。そしてそれにはアメリカと言う存在が深く関わっていて、イラク戦争が起こり、日本はアメリカに追従する形で自衛隊を駐留させていることが、だんだんと分かってきました。ではなぜ日本は戦争に参加しない国で、憲法9条がそれを保障しているのに、自衛隊を派遣させるのか…。こういった疑問を解決させるために、新聞を読み、ニュースを見るようになり、そして本を読み始めるようになったのです。
こうして、自分は世界で起こっていることや社会に対して目が向くようになりました。香田さんの事件をきっかけに、自分の世界は広がっていったのです。ただ、以前にも書きましたが自分の世界を構成しているのは新聞やネットで得た知識だけではなく、自分以外の世界=他者、つまり自分がこれまで出会った友人の影響も左右していることは重要なことです。自分という存在は、決して自分一人の力だけで成り立っているわけではないのです。
話は長くなりましたが、香田さんの事件を機に自分はそれまで興味の無かった、政治・社会系の本を手にするようになりました。ただ、自分はもともと活字が苦手で、そんな自分にとって本を読む行為はかなり骨をおる作業であります。読むペースもかなり遅いです。それでもなんとか、これまでにいくらかの本を読破することはできました。そして、これからそんな今まで読んだ本のいくつかを紹介していこうと思います。


仲正昌樹 2003年 『「不自由」論ー「何でも自己決定」の限界』
……この本は、香田さんの事件でよく話題となった”自己責任”という言葉のもつ意味と、その背景が知りたくなって読み始めました。そもそも自己責任から生じる”自己決定”とは、果たして自分一人だけの判断によるものなのか、周りの環境に左右されることはないのだろうか。その答えに作者は”NO”と答えています。人間という存在は、育った環境や周りの家族、さらには育った場所の社会通念、分かりやすく言うと”イデオロギー”や”法”によって規定されるものだ、と作者は主張しています。つまり、人間の純粋な主体性はもともと存在しないわけで、必然的に社会性を帯びるものだとも主張しています。だから、香田さんの事件を例にとると、それを単純に本人だけの自己責任と決め付けるのではなく、イラク行きを止めようとすることができなかった、もしくは説得することのできなかった周りの環境にも少しの責任はあったのではないかと、自分は考えます。この本は、アーレントやルソー、リベラリズムへの言及もしてあって、興味深いし、読みやすいので、お薦めの本ですあります。

次回は、小泉信三氏の『共産主義批判の常識』を紹介したいと思います。


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  1. 2005/06/18(土) 02:02:30|
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